セミの抜け殻をあちこちで見かけるようになった8月1日
かねてより宣伝のお手伝いをしていたお能イベントの一つ
「初めての能楽講座」に参加してみた

古くからの日本の芸能でありながら
普段なかなか接することのない「能」を体験してみることができる
めったにない機会だ

IMG_9049坂

五反田駅を降り池田山に向かう急な坂道を上ると
すぐに見えてきた閑静な高級住宅街の中にあるモダンな建物
竹と和洋融合がとても美しい

IMG_9050池田山舞台

中に入ると能楽堂で見る広い舞台が設置
ここで様々なお稽古が行われているという

午前の部は親子向け
午後は大人向けの講座が
能という敷居の高さを感じさせない
アットホームな雰囲気でおこなわれた

IMG_9061舞台・説明

各講座とも喜多流若手能楽師の佐藤寛泰氏と
同じく若手能楽師のお二人がサポートされ
能の簡単な歴史からお面、装束の説明
そして実際に装着してみる体験も

IMG_9072女般若

各地で能の指導、普及活動を精力的に行われているので
分かりやすくお話いただいたが
さすがに一回ですべてを理解するのは無理だった

それでも一番は実際にお面を被ってみたり
衣装をまとってみたこと
歴史のある物なので取り扱いにビクビク
人形状態のまま身に着けてもらった

IMG_9118男面

実際衣装は何枚も重ね合わせ
かつらも意外に重量があるため
一人で装着するのは無理なので数人がサポートするという

さながらモータレースのピットクルーのようだと
能楽師の方がおっしゃっていたが
その手際のよさに納得

しかし、その重量と暑さに加え
しかもお面を被ると視野が極端に狭くなるため
お能の舞はかなりな重労働だ

能舞台に柱があるのは能を舞うシテ方が
舞台の位置関係を把握するためのものでもあることだとの説明に
身をもって実感した

IMG_9123家族

また一見怖いイメージがある能面は
実は200種類以上あり
曲目によって男女や表情を使い分けるという

演じる際には舞台照明のあたり具合によって表情が変わってしまうので
演じる中で面の角度を保つという話には
普段知ることのできない能の繊細さを改めて実感

IMG_9143講座風景
IMG_9161男着衣

最後に代表的演目「羽衣」「船弁慶」の舞の一部を拝見し終了
IMG_9171羽衣
IMG_9183船弁慶

非常に貴重な時間を体験することができ
これからも能に触れて行ってみたいと思う

8月は22日(土)に「能を撮る会」という
「羽衣」「熊坂」2つの演目を
本物の能楽堂で演じる姿を写真撮影できるという
稀有な被写体を撮影できるというカメラ好きには貴重な体験会
8月能イベント

また9月26日(土)には喜多流若手能楽師による
「第38回喜多流青年能」が
目黒にある十四世 喜多六平太記念能楽堂で開催

一般的な能の公演よりもリーズナブルな金額で観ることができるので
能ビギナーの方にはおすすめ
喜多流青年能