今年2015年6月に映画公開の予定の
吉田秋生原作の「海街diary」

古都鎌倉を舞台に
腹違いの末妹を含めた4人姉妹が織りなす
人間模様

親の離婚、再婚、死、深刻な病、道ならぬ恋、等々
重いテーマが題材になっていながら
登場人物が前向き

それぞれがぶつかりながらも
お互いを思いやる気持ちが皆にあるので
とても清々しい
登場人物の言葉一つひとつが心に残る
漫画とは思えない内容で
様々な漫画賞を受賞し、評価が高い

映画公開前に原作を読んでおいたほうが
内容をより深く感じ取ることができるように思う

20年以上前に「吉祥天女」や「BANANA FISH」で
吉田秋生ファンになった
内容はもちろん漫画のタッチも好きなのでどれも秀作

女性向けコミックだが男性にもおすすめだ

ところで登場人物で異色の存在感を放っているのが
一番上の姉が務める病院の後輩ナース『アライさん』

肝心な時に見当たらず
姉が「アライさあああ~ん」と少しキレ気味でいつも捜索されているが
一度も登場したことがないという謎のナース

しかしある日姉がいわゆる終末医療を司る
緩和ケア病棟へ移動を打診された時
もう一人『アライさん』を姉が師長に推薦する

急に亡くなった患者さんに対し
一つひとつ丁寧に声を掛けながら死後の処置をしている姿を見て
彼女なら適任であると高く評価

後姿や手だけとか姉の回想でのセリフだけとか
人物がほとんど描かれていないが
非常に存在感のある登場人物という変わった設定も面白い

映画では『アライさん』は出てくるだろうか