家庭を顧みず、家族と離婚した
自由奔放な超人気レスラー

しかし今では近所のスーパーでアルバイトをしながら
かつての栄光とわずかな収入を得るため
細々と淋しいレスラー生活を続けている

しかし長年のステロイド多量摂取で
心臓疾患を抱えてしまい
これが引き際と引退を決意

しかしレスラーでなくなったら自分には何もない
仕事はない、愛する者もそばにいない
気になるストリッパーや別れた娘などに
コンタクトを取り、一瞬光明がみえたりもするが
結局自分の人生は好転しない

孤独と絶望の中でたどり着いた結論

「ここが俺の居場所だからだ」と
仲間のレスラーと自分をみてくれる観客
これこそが自分の家族だと
ドクターストップがかかっているにもかかわらず
かつての盟友との再戦のためリングで闘う

映画の中で流れる
ブルース スプリングスティーンが
この悲哀を見事に際立たせている

主役はかつて人気絶頂だった俳優ミッキー・ローク
日本での、猫パンチで有名な“ボクシングショー”以降
ゴシップ以外ほとんど話題上らなかった彼が
この映画に彼自身の人生がだぶってみえた

おっさん世代が感じる共通なもの
“老い”そして“孤独”
これが自分自身とダブって見える

映画の中の主人公は
救われない映画だが
観たおっさんには救いの映画かも
2008年のアメリカ映画