吉田秋生の漫画作品「海街diary」
古都鎌倉を舞台にした
腹違いの末妹を含めた4人姉妹が織りなす
人間模様
親の離婚、再婚、死
深刻な病、道ならぬ恋、等々
重いテーマが題材になっていながら
登場人物が前向き
それぞれがぶつかりながらも
お互いを思いやる気持ちが皆にあるので
とても清々しい
登場人物の言葉一つひとつが心に残る
漫画とは思えない内容
様々な漫画賞を受賞し、評価が高く
今夏映画化もされるので期待
20年以上前に「吉祥天女」や「BANANA FISH」で
吉田秋生ファンになった
内容はもちろん漫画のタッチも好きなので
どれも秀作
女性向けコミックだが
男性にもおすすめだ
ところで登場人物で異色の存在感を放っているのが
一番上の姉が務める病院の後輩ナース『アライさん』
肝心な時に見当たらず
姉が「アライさあああ~ん」と少しキレ気味でいつも捜索されているが
一度も登場したことがないという謎のナース
しかしある日姉がいわゆる終末医療を司る
緩和ケア病棟へ移動を打診された時
もう一人『アライさん』を姉が師長に推薦する
急に亡くなった患者さんに対し
一つひとつ丁寧に声を掛けながら死後の処置をしている姿を見て
彼女なら適任であると高く評価
後姿や手だけとか姉の回想でのセリフだけとか
人物がほとんど描かれていないが
非常に存在感のある登場人物という変わった設定も面白い